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彼女のクワガタ趣味が俺の人生を侵食しそうな件 その4

「それじゃあ、飼育用品もプレゼントしますね!」
「いいのか?」
 飼うか飼わないか。迷っていたけれど、これほどまでに勧めてくるのなら、飼ってもいいかと思ってしまう。これをキッカケに仲良くなれるかもしれないし、彼女もクワガタ友達を欲しがっているみたいだし……。

「はい! ケースは使ってない物がありますし、マットとかも余ってますし」
「マット?」
「あ、ええと、土のことですね」
 そう言って、彼女は『真っ黒な土』と『薄い茶色の土』を見せてくれた。

「土っていうのもちょっと変かな? これ、正確には『オガクズ』なんですよね」
 さくらは、薄い茶色の土が入った袋を開けて見せた。

「あれ、この香り……」
 どこかで嗅いだことがある……。
「これはヒノキです。それを削ったものですね」
 袋に手を入れて、ぱらぱら。よくみると、たしかに土ではない。削り節のような感じ。

「ヒノキのマットは、ダニを抑制するんです。清潔感があって、クワガタ初心者さんにお勧めなんです。逆に、こっちのは――」

 焦げ茶色のマットを開けるさくら。
 ふわっ、と、土の臭いがする。なれない臭いだ。

「醗酵マット。文字通り発酵させているので、匂いがきついです。けど、クワガタにとっては、こっちのマットの方が快適なんですよね。産卵させる時は、醗酵マットを使わないとダメなんですよ」
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桑山かたり

Author:桑山かたり
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